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MUSIC LAND -私の庭の花たち-

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「十三夜の面影」4





昨夜は、慣れてきたせいなのか、

それとも睡眠不足のせいなのか、

かぐや姫が居ても、眠れてしまった。

それも哀しいけど。

今日は仕事を定時に終えて、

服を買いにいかないとな。

明日、デートが出来なくなってしまう。

そのためには能率よく仕事をこなさなくちゃ。

まあ、おとといは残業したお陰で、

かぐや姫に逢えたから良かったけど。

仕事中、かぐや姫を思い出し、

ちょっとぼんやりすることもあったが、

こんなことしていては定時に終わらないと

自分にはっぱをかけて、頑張った。

お陰でいつもより早く終わったくらいだ。

自分でもやればできるんだなと苦笑する。

明日の休暇届も出し、定時に退社。

「お先に失礼します。」

つい声に張りが出てしまう。

「やけにご機嫌だな。

何かいいことでもあるのか?」

と上司にからかわれたが、

「まあ、そんなとこです。」

と笑ってごまかした。

早速ブティックに飛び込み、

レモンイエローのプリンセスラインの

フェミニンなワンピースを買った。

色といい、デザインといい、かぐや姫らしいと、

一人で悦にいっている。

これこそ、月のお姫様だよな。

下着を買うのは恥ずかしかったが、

自分好みにしてしまった。

うちに帰ると、

「お帰りなさい。待ってたの。」

と言って、出迎えてくれた。

一人暮らしが長いから、

こういうのって、嬉しいよな。

「服と下着を買ってきたよ。

気に入るかな。」

「わあ嬉しい。見せて。」

袋から取り出し、

ワンピースを胸に当ててみる。

「どう?似合う?」

黄色が顔に映えて明るくなる。

「似合うよ。

着てみてくれないか。」

「ちょっと待っててね。」

ユニットバスで着替えてきた。

思ったとおり、彼女によく似合う。

「素敵な服ね。」

と言いながら、

くるりと回ってみせる。

裾がひるがえって、素足がまぶしい。

「明日はそれを着て、

公園に散歩に行こう。

他にもいろいろ連れて行ってあげるよ。」

「ありがとう。

でも、そんなにいろんなところへ行かなくてもいいよ。

あなたと居るだけで楽しいから。」

頬を赤らめて言うから、

僕まで赤面してしまう。

「そう言ってくれると嬉しいな。

僕も楽しいよ。

じゃあ、今日は早く寝て、

明日は早起きして行こう。」

照れ隠しに後半は大きな声になってしまう。

今夜はまた眠れなくなりそうだ。

続き



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